題名 | リビングの松永さん |
巻数 | 1巻 |
作者 | 岩下 慶子 |
発行元 | 講談社 |
ジャンル | 恋愛・ラブコメ |
推し度 | ★★★★ |
リビングの松永さん(1巻)を読む前に
マンガにおける1巻の役割とは
「読んでみたいと思わせるかどうか」
「今後も読みたいと思わせるかどうか」
といった点が試される、重要な巻だと言える。
「絵の好み」や「ストーリー」など、
判断基準は人それぞれなれど
今後展開していくであろうこの漫画が、
1話目から十分に魅力を発揮できているかのか、
作者の熱い思いが反映されているのか、
そこらへんが重要である。
その点でいうと
私が推している「リビングの松永さん」なんてものは
絵の好みや、ストーリなどはそっちのけであり
「眼鏡+ツーブロック」
という私にとっての萌要素を1巻からいかんなく発揮していたため
このようなハシャギ振りへとなっているわけだ。
先ずはじっくり試し読み→ まんが王国
推し要素1:絵が丁寧
「絵」が非常に丁寧に描かれている。
まずはこれをあげときましょう。
とうぜん、1巻から手を抜かれては困るのだが
こちらの漫画は、作者の熱い思い(おそらく、眼鏡とツーブロック)が
丁寧に丁寧に描きこまれている気がしてならない。
ツーブロック男子好き。
黒縁眼鏡好き。
こんな女子は世に五万といるであろうが
その心を「ワシっ」と掴まれるぐらいの力量をもっているとお見受けいたします。
推し要素2:キャラ設定の勝利で成り立つストーリー展開
なんと言っても、
登場人物の設定がしっかりしているんですよ。
漫画においては、
これがちゃんとしてないと話になりません。
特に「リビングの松永さん」は恋愛マンガのため、
読む対象は「女」が大半であるはずだ。
女子がマンガに求めていることの一つに「共感」があるとすれば
「分かりみー」という言葉が流行ったように
「登場人物の気持ちが分かる」という要素が重要なのだ。
そのため、
「え?なんでこうなんの?」
などと、読者の気持ちが置いていかれるようなストーリー展開になってしまうようであれば下作。
伏線回収するためのややこしい作りなど
意図していないのであれば
シンプルが一番であり、
そのためにも主人公キャラ設定が非常に重要なのだ。
ミーコだから、こういう動きをし
松永さんだから、こういう動きをするんだ
というのが、
もはや「分かりみ」でしか無いのである。
少女漫画特有の「多少の嘘」や「多少の強引さ」も
この二人のキャラ設定なら
「分かりみ」
の範疇なのである。
2ー1:キャラ設定「ドジ」と「世話好き」という関係
主人公は、女子高2年生の「ミーコ」
親の事情により叔父の経営するシェアハウスで生活することになった。
性格は、一言でいうと素直。
ちょっと天然色が強く、ドジな面があり。
その性格が、日常にちょっとしたハプニングを巻き起こすような子だ。
そしてマンガのタイトルにもなった「松永さん」。
フリーのデザイナーで26歳。
基本的にシェアハウスのリビングに居座っている。
性格は、一言で言うと実直な人という感じ。
だが、他人よりも沸点が低いようで、非常に怒りっぽい。
そして身体を鍛えているため腹筋はバキバキで、
上半身裸のことも多々ある(女性に対する配慮が薄い)。
そんな松永さん、実は世話焼きという一面が。
単純に言ってしまうと、
ミーコと松永さんは「凹」と「凸」のような関係とも言える。
ミーコが起こしたハプニングを
松永さんが埋め合わせる
という流れが自然と出来上がっており
この流れに入ったミーコは、
松永さんに対して、気持ちが揺れ動いていくというわけなのだ。
先ずはじっくり試し読み→ まんが王国
2−2:最悪な出会いからのストーリー展開
出会い頭に、ミーコから「痴漢」と勘違いされた松永さん。
最悪な出会いにはなってしまったが、
松永さんの性格もあり、
高校生で親元を離れたミーコのとを常に気にかけてくれます。
そして、
ドジで天然色強いミーコが起こすハプニングを
潔いまでにサポートしてくれるという
「松永さん=ヒーロー」振りが示される1巻となっております。
ミーコの松永さんに対する思いは、
1巻だけでも着実に変化を遂げています。
「痴漢(恐怖)」
↓
「色々怒られて怖い(恐怖)」
↓
「助けられて気になる(対男性)」
↓
「好き(対男性)」
と、松永さんに対しては常にドキドキしっぱなしだ。
が、やはり
ハプニングを起こしてしまった「ドキドキ(不安)」と
松永さんが助けてくれたという「ドキドキ(対男性)」が相まって
「吊り橋効果」が発動したと思われる。
女子高に通うミーコは、
男性に対し「うぶ」だと思われるが
例え「うぶ」でなかったとしても、
「ルックスも良い、眼鏡かけたツーブロック大人男子」
が自分のことを気にかけてくれているのがわかれば、
そりゃぁ、落ちますわな(*u_u)フフフ
と思わざるを得ないほどの
松永さんの距離の詰め方に注目なのです。
・・・多分、松永さんって「人」との距離感、分かってなさそうww
先ずはじっくり試し読み→ まんが王国
2−3:キャラ設定がココでイキてくる!
漫画を読んでいると、
ちょっとその展開、強引では??
と思えるなよう松永さんの「ヒーロー感」。
声をかけずに腕を掴んだりるするのは日常茶メシなのでしょう。
(全11巻の間で、松永さんは2、3回も同じことやってるので、まぁそういう性格なのだろうと落ち着きましたがw)
時には一緒にハプニングに巻き込まれたりもするけれど
基本的には「ミーコ」を助けてくれる存在であります。
ここでポイントなのは
ミーコがドジする
↓
松永さん怒る
↓
直後にサポート体制に入る
ことからも分かるように、
基本的に松永さんは「吊り効果」のスペシャリストと言っても過言ではない。
ドジしてしまった不安なドキドキ
怒られたことによる怖いドキドキ
助けてもらったことによる安心感
これらを連打で浴びせられるのだから、
ミーコも溜まったものではない。
そして、松永さんといえば
これらのことは意図せずやっているのだから
性格の恐ろしさ、極まれりと言わざるを得ない。
先ずはじっくり試し読み→ まんが王国
推し要素3:松永さんがオシャレ
松永さんは「デザイナー」という職業がら
割とオシャレ。
リビングではTシャツにジーンズというラフな感じを見せつつ
仕事で外に出る時は
「柄シャツ(同居人の健ちゃんから「チンピラシャツ」と言われてるが)」
「ブレスレット」
「足の指にリング」
という、オシャレ振り。
つーか、
足の指にリングって??
手の指にすらリングを着けていないオバちゃんにとって
「ま、まぶしぃいいいいっっ〜〜〜(〃ノωヽ)」
という香ばしい思いにさせてくれたりするオシャ男。
男の醸し出す色気を
時折見せつけてくるので油断大敵です(興奮)。
先ずはじっくり試し読み→ まんが王国
おまけ:角キャラクターの筆跡
そして面白いなと感じたのが、
シェアハウスの住人の「筆跡」が見れるシーンがあるのだが
この字が、ものの見事にそのキャラクターの性格を表しており
「マジ、わかりみしか無い(。-ω-。)」
と、開始わずか1巻にも関わらず
キャラクターの性格を筆跡でも表してしまうという書き分け振り。
1巻では、主役のミーコと松永さんを中心としたストーリー展開だったが
今後は、この個性的な筆跡を持つシェアハウスの住人達も
いろんな動きをしていくんだろうな〜と思わせる感じであり
非常に丁寧な作り込みと
非常に丁寧な絵とで
読む手が止まらないと言った感じの1巻です。
まとめ:リビングの松永さん(1巻)の魅力
絵がきれい。
キャラクターの人物像がしっかりできている。
ストーリー展開に入り込みやすい。
そして、個人的には
ミーコの可愛さ。
(ミーコの可愛さを熱く語っています→ ヒロイン、ミーコの愛くるしさ)
松永さんのビジュアル(眼鏡・ツーブロック)
と言った点も、当然のこと過ぎて
もはや語るまでもないといったところです( ̄ー ̄+)ハッハッハ